イリコスキー製麺所 所長のブログ

初めての伊吹島、いりこの宝島。

海岸にはいりこ加工場がぎっしり

海岸にはいりこ加工場がぎっしり

食品を作るとなると、その原料がいったいどこでどんな風にできるのかやっぱり気になるところ。つけつゆ(黒いイリコスキーと呼んでる)につかう醤油は、滋賀県の丸中醤油。これは最初友人に教えられて使うようになって、一升瓶がなかなか流通していなかったものだから直接蔵元に買いに行っていた。古い蔵元で、ありきたりな印象だけど伝統のある酒蔵みたいな感じで、古くからの作り方をしてるんだろうな、という好ましさが味はもちろんのこと、ここの醤油をひいきする(えらそう)理由になってると思う。
 
 
先日は伊吹島に行ってきた。

海岸からすぐの生活道路も、いりこ加工場を縫うように走る

海岸からすぐの生活道路も、いりこ加工場を縫うように走る

どこでいりこを買おうか考えていたときに知人の紹介で伊吹いりこの網元さんから直接買えることになって。
6月になれば漁が始まるしそれを待てば加工をしている現場も見ることができたんだろうけれど、漁期になると一日忙しくてとても時間がとれなさそう、ということで漁の始まる前にご挨拶にうかがうことに。

伊吹島は香川県の一番西に位置する観音寺市の沖合にある。有名な島だけど、これまで行ったことはなかった。香川の東の端にいると観音寺にすら出かけることは少ないし、ましてやそこから25分かけて船に乗ってというのはなかなかハードルが高かったな。

僕が香川に暮らしていた頃はまだ高速道路なんてなかったし、汽車―もちろん蒸気じゃなくってディーゼルだけど、電車じゃないから汽車ってみんな呼んでた―で行くにも高徳線に乗って高松へ、そこから予讃線に乗り換えてっていう大仕事だった。
 
 

奥様がわざわざつくってくださったいりこの天ぷら。美味。ビールが欲しい

奥様がわざわざつくってくださったいりこの天ぷら。美味。ビールが欲しい

普通の問屋さんや小売りのお店じゃなくて直接買いたいのは、やっぱり作ってる人の顔がわかっているのがいいな、って思っているから。網元さんと知り合いになれるというのはありがたいことだ。

上福水産の三好さんは電話でしゃべっているときにはけっこうぶっきらぼうで怖いぐらいだったんだけど、実際にお会いして話すととても笑顔のすてきな人だった。

「どんなんがええんな」と奥様ともども相談に乗っていただいて、僕は最初から大羽(おおば)って呼ばれる大きな、体長10cmほどもあるいりこを買うつもりだったけど、それよりも小さな中羽、きれいにうろこがついたまま銀色に光る銀付(ぎんつき)などなど、たくさん味見をさせてもらった。

カタクチイワシをいりこに加工するのには、鮮度が第一。伊吹島でのイワシ漁は、海岸から5分ほどのところが漁場なんだという。水揚げしたばかりのカタクチイワシを一気にボイルできるから、漁場と加工場が近いのはなによりも強いんだとか。「このへんはな、海水で茹でるんで。ほかのところはよう知らんけどたいがい水じゃわな。きれいな海水でないと茹でられんわな」
 
 

連絡船は乗客だけじゃなく物資も運ぶ

連絡船は乗客だけじゃなく物資も運ぶ

そのまま食べるならだんぜん美味しいのは銀付。見た目もきれいだし、脂が少ないんだろうな、えぐみの少ない味がきれいな出汁がとれそうなのを感じさせる。

イリコスキー製麺所で使うのは大羽、大ぶりで脂の回っていない白いのがベストだと思ってる。これを一晩アタマもワタも取らずに水につけて、決して沸騰させずに出汁をとる。
 
 
最近は伊吹いりこも一般の人にも知られるようになってきて、問い合わせも増えて、東京にも展示会へ出展したりしてるんだそうだ、網元さん自ら。「有名になった言うてもな、なかなかわしらまでええ話はまわってこんのんじゃ。自分でちゃんとお客さん見つけんとの」そういえば、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」にも出たらしい。
 
 

連絡船の中で散髪してくれるの?揺れるよね

連絡船の中で散髪してくれるの?揺れるよね

今年は昨日、6月12日から漁が始まったようだ。できたてのいりこが使えるのももうすぐ。ただ、いつもは漁の初期にかかる大羽が今年は少なくて中羽が多かったらしい。うちの製麺所までまわってくるかな。

「大羽ができるんはな、6月の20日か下旬じゃわ。できたらまた教えてあげるで。それまでもうちょっとまっとき」
先週電話してみたときには三好さんはあいかわらずぶっきらぼうな口調で、でも製麺所を気にかけてくれてる様子で。
新しいいりこ、楽しみです。

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