白だしづくり
いりこは伊吹島のいりこ。ジョウフク水産さんの三好さんから、直接おわけいただいています。6月から9月がカタクチイワシ漁の季節。伊吹島ではすぐ近くの漁場で獲れたイワシを海岸沿いにある加工場へ直接水揚げ。ジョウフク水産さんでは、海水で茹でていりこにするのだそうです。
いりこは大羽のものを使用、もちろん、ダシを取るまで冷凍保管しています。
イリコスキーではいりこの頭やわたは取りません。取ってしまうといりこらしさが少し無くなってしまう気がするのです。昆布は羅臼昆布を使用しています。昆布の入らない、いりこだけでとった素朴でどっしりしたダシも所長は大好きなのですが、商品にするにあたっては昆布もつかったダシにしました。昆布は他のどんなダシ素材とも良くあいますが、いりこと昆布の組み合わせはうどんにはベストだと思っています。
一晩水につけておいた鍋を火にかけて、ゆっくりと温度を上げていきます。60度ぐらい、ねばねばが出始める前に昆布は引き上げてしまいます。80度まで温度を上げて、ダシを取っている間はそれをキープ。わたを取らずにこの温度で煮ることでいりこらしい、でもえぐみのすくないダシがとれるのです。
黒のイリコスキー(つけつゆ)
釜あげやざるにお使いいただくつけつゆは、みりんとしょうゆそしてざらめであらかじめ仕込んでおいた「かえし」をいりこダシで割ってできています。「かえし」に使っているのは三年熟成の本みりん、しょうゆは国産原料でできた古式製法。
この「かえし」、合わせてできあがったばかりのときはなぜかとんがった感じがするのですが、冷蔵庫でしばらく寝かせておくとまろやかになる気がします。寝かせている間に何が起こっているのでしょう?
金のイリコスキー(かけだし)
かけだしは、どれだけいりこダシの風味を残せるかがポイントだと思っています。小豆島のうすくちしょうゆ、塩それに煮きった日本酒とみりん。材料はこれだけ、他のものは入れません。調味料をあわせるときにもけっして煮立たせません。
どうかご家庭でお召し上がりいただくときも、沸騰させないようになさってください。えぐみがでてしまいます。湯気は上がってきたけれども小さな泡がでてきた程度、それぐらいが適温だと思います。
召し上がっていただくと「優しい味やね」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
かけだし、つけつゆができたらボトル詰め。このボトルの形、わりと気に入っているのです。
ボトルの包装ももちろん手作業です。紙で包装して帯を巻きます。
完成。