イリコスキーのだしとつゆができるまで

イリコスキーのかけだし・つけつゆ

白だしづくり

伊吹いりこいりこは伊吹島のいりこ。
6月から9月がいりこの原料、カタクチイワシ漁の季節です。伊吹島ではすぐ近くの漁場で獲れたイワシを海岸沿いにある加工場へ直接水揚げ、海水で茹でていりこにするのだそうです。

いりこは大羽のものを使い、だしを取るまで冷凍保管しています。

ひと晩つけた伊吹いりこと羅臼昆布。頭とわたはついたままイリコスキーではいりこの頭やわたは取りません。取ってしまうといりこらしさが少し無くなってしまう気がするのです。

昆布は羅臼昆布を使用しています。昆布の入らない、いりこだけでとった素朴でどっしりしただしも所長は大好きなのですが、商品にするにあたっては昆布もつかっただしにしました。昆布は他のどんなだし素材とも良くあいますが、いりこと昆布の組み合わせはうどんにはベストだと思っています。

だしとりの様子一晩水につけておいた鍋を火にかけて温度を上げます。
60度で30分加熱し、昆布は取り出します。

沸騰直前まで温度を上げて、20分。対流でいりこがお湯の中で踊ることが少ないので、時折かき混ぜて泳がせてやります。

白だしの完成わたを取らずにこの感覚で煮ることでいりこらしい、でもえぐみのすくないだしがとれると思っています。

できあがった白だしは、最終的に大きなコーヒーフィルターで漉します。お湯の中で踊ったいりこからはうろこが剥がれ落ちて、キラキラ光った小さな粒がたくさんだしの中に浮かんでいます。それはそれで見た目も楽しいのですが、できるかぎりすっきりさせたいのです。

黒のイリコスキー(つけつゆ)

みりんとしょうゆ釜あげやざるにお使いいただくつけつゆは、みりんとしょうゆ、そしてざらめであらかじめ仕込んでおいた「かえし」をいりこだしで割ってできています。

かえしに使っているのは三年熟成の本みりん、しょうゆは国産原料でできた古式製法。

黒のイリコスキーこのかえし、合わせて火入れしてできあがったばかりのときはなぜかとんがった感じがするのですが、冷蔵庫でしばらく寝かせておくとまろやかになる気がします。寝かせている間に何が起こっているのでしょう?

金のイリコスキー(かけだし)

みりんと日本酒を煮きって…かけだしは、どれだけいりこだしの風味を残せるかがポイントだと思っています。小豆島のうすくちしょうゆ、塩それに煮きった日本酒とみりん。材料はこれだけ、他のものは入れません。

味見。いりこの良い香りがしますご家庭でお召し上がりいただくときは、湯気は上がってきたけれども小さな泡がでてきた程度、それぐらいが適温だと思います。

びん詰め

びんづめかけだし、つけつゆができたらボトル詰め。このボトルの形、わりと気に入っているのです。

だしボトル

ボトルの包装ボトルの包装ももちろん手作業です。紙で包装して帯を巻きます。

だしとつゆの完成完成。