イリコスキー製麺所 所長のブログ

製麺所オープン、そして「さくらんぼ」

センスがないというか、愛想がないというか。およそ殺風景なこの製麺所にも、一つだけ絵を掛けてある。谷川衛氏作、「さくらんぼ」。

 
本日、イリコスキー製麺所、開店いたしました。
ほっこりできる手打ちうどんといりこだしを皆さまにお楽しみいただけますように、精進して参ります。どうぞご贔屓のほどお願い申し上げます。
 
 
「プレオープンと正式開店と、なにがちがうの」と尋ねられるけれど、商品が変わるわけでもないしサイトをリニューアルしたわけでもない。違ってるのは僕の気持ちの区切り、かな。
 
 
おとりよせ専門の製麺所を作ろうと決めてから1年以上。「おまえは腰が重いなぁ」と社会人1年目のときに上司に言われたことをよく思い出す。「で?いつ始めんねん」まったく、20年経ってもぜんぜん変わってないな。

このブログを始めたころ、これも先輩が言ってくれたこと。「ドリームプロジェクトを成功させるのに大切なのは自分自身のモチベーションマネジメント」「山下くんにもっとも必要なのは、低モチベーション期を受容する心構え。低モチベーション期があるのが普通であると考える心の余裕(いい加減さ)」おっしゃるとおりです。

若いころに面倒を見ていただいた人には僕の気持ちとか手に取るようにわかっちゃうんだろうな。そういう方たちが、仕事を離れても応援していただけるというのは実にありがたいことだ。
なかなかいいかげんにはなれなくて、それはむしろ根っこがいいかげんってことを自分がわかってるからなんだろうけど、そういうこともふくめて少しは自分を受け入れられたような気もしてる。批評家気分をやめて、良くも悪くも自分を見てもらおう、って気持ちにようやくなれたのかな。
 
 
いつも応援してくれている皆さん、叱咤激励いただいている方々、弱気になってるココロを支えてくれた人たち。ありがとうございます。ようやくスタート地点に立てました。一度、ぜひ製麺所にもお気軽に遊びにいらしてください。
 
 
 
この絵の裏には「御祝 二〇〇二 一 二五」と両親の名前。もう11年前だ。
そのころは製麺所じゃなく、うどん屋をやるつもりで実家に報告に戻って、うどんを食べさせたら無反応で(たしかにあの出来はひどかった…彼らは毎日うまいうどんを食べてるわけだし)。
「うどん屋にするために育ててきたんとちゃう!」なんてことを母親に泣きながら言われて大げんか。わかってへんなぁ、なんて思ってたけど親が心配するのは当然で、わかってなかったのは僕のほうだったっていうアタリマエの話。

そしてその大げんかの後で渡されたのがこの絵。ずいぶん気の早い開店祝いで、けっきょく飾るうどん屋もできなかった。谷川衛氏は僕の中学の恩師で母の友人でもある先生のお兄さん。
母ちゃん、ありがとう。ようやく店に飾れたよ。

製麺所オープン、そして「さくらんぼ」」への6件のフィードバック

  1. オープンおめでとうございます!!
    良先輩には色々驚かされます。Σ(・ω・ノ)ノ!

    我が家の庭の桜にも今年初めて食べられるさくらんぼが生りました。 17年越しでした。

    商品が届くの楽しみにしています。

    私もまだ何か始められるかな。

    • あっちゃん、さっそくのご注文とコメントありがとう。
      うん、楽しいこと、はじめようよ。
      17年越し!さくらんぼ、かわいいしおいしいし、いいよね!

      • 釜玉でいただきました!
        ちゅるんちゅるんでもっちり。
        スーパーのゆで麺とはやっぱり違いますね。

        実家と出汁を一本づつ分け分けしたので、次回は金のイリコスキーでいただきます。(^-^)

        • おー、釜玉で召し上がりましたか。釜玉やっぱり人気ですね~。金もお楽しみいただけますように。ありがとうございます!

  2. 早速いただきました。
    だしもうどんもうまかった~。
    どこかなつかしい、やさしい味。

    所長の愛なんだろうね。

    うちの母親とおばさんとで食ってるかな~
    なんてね。

    • わぉ。しゅんちゃん、ありがとう。
      よかった、ほっとしたわ~

      …泣いてまうやんか、でもほんまやな、ふたりで仲良く一緒に食べてほしいなぁ。

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