全国生めん類公正取引協議会ってところで決められた規約 ― さぬきうどんの名称を使うのには「香川県内で製造された麺」という基準を満たさなきゃいけない、というのが大きいのかな、とは思う。
ただそれも、あくまで特産、本場、名物、とかそういう表示をするときの基準で、香川県以外で作られたものをさぬきうどんって言っちゃいけない、と決まってるわけじゃない。
なのにいろんなお店(特に、評判のお店、香川で修行してきたようなお店とかが多かった)が讃岐うどんって言わなくなっちゃった。そこにどんな経緯があるのかは僕はしらない。
讃岐うどんが一般的に認知されたのは、大阪万博前後なんだろうと思うけど、そのころは讃岐うどんなんて、暮らしてるところの近くにたまたま讃岐うどん屋さんがあって、そこで食べるもの、だったはず。
今でこそ、関西からなら香川県へのアクセスはとても便利になったし、讃岐うどんは香川で食べてこそ、という気分はわかる。僕自身ももちろんそう。
でも、別に香川で作ってなくたって、讃岐うどんを名乗らせてあげてもいいじゃないのかな、って思うんだけどな。香川県外でずっとがんばってきた讃岐うどん屋さんがあればこそ、讃岐うどん=香川という認知もすすんだはずなんだ。だからこそ本場で食べてみたい、とも考えるんじゃないのかな。
香川県から出店したにせよ、ぜんぜん関係ないにせよ。丸亀製麺なんて、みんな讃岐うどんだと思ってるけど、香川県とはそもそも縁もゆかりもないよね。
逆に、「うちはちゃんと讃岐うどんです」って言いたい、ただそのためだけに香川県の工場から麺を取り寄せてる、っていうお店の方が、僕はなんだかなぁって思っちゃうんだよね。
まぁ、テレビや雑誌じゃお店自身が名乗ってるかどうかにかかわらず香川県外の讃岐うどん特集もするし、あんまり関係ないのかな。
あ、じゃあイリコスキー製麺所が讃岐うどんを名乗りたいのか、っていえばそうじゃない。だって、公正取引協議会の定義だと、いりこだしかどうかは関係ないんだもの。