製麺所のDIYは手を付けたり休んだり、まだ完成にはほど遠いんだけど、あ、そういえば。と思い出して、こんな写真を引っ張り出してきた。
勤めてた会社をやめて、フリーランスになったとき。
自宅で仕事をすることにして、空いてる部屋を仕事部屋に改装しよう、の図。
空いてる部屋?
そう、築30年だか40年だかの家を買って入ったその集落の中では、「完成してしまうと固定資産税が高くなる」とかで、どの家にもそういうできあがっていない部屋があった。我が家もそうだった。
天井は貼ってあったので和室になるはずだったんだな、とわかったけど、畳も当然入ってないし、壁もきわめてテキトーな塗り方。
とても普通には使えないので、物置部屋になってたんだけど、これを改装して仕事部屋にしよう、と。
このころはホームセンターに通うのが楽しくて(今もだけど)、大工道具も一通り持ってた。
今の製麺所のDIYと違うのは、この部屋はきっちり長方形だった、ってことかな。でこぼこがたくさんあったり、排水口があったり、そもそも角が直角じゃないところばっかり、という製麺所と比べるとそりゃカンタンだったよね。
あれがえらくスムーズにできたから、ちょっと余計な自信を持っちゃったのかな。
そういえば当時は、ISDNでのデータ通信が毎月定額になるサービスが始まって、自宅で使えるようになるのが待ち遠しかったなぁ。
しかしあれだな。10年以上経ってもおんなじことやってる、と。
山下くん
久しぶり、後藤です。
製麺所の件、今頃気づいた次第。頑張ってるね。
先程からひと通り読ませてもらいました。
山下くんの「棚卸」をトレースしているようで妙な感じ。
俺がめちゃくちゃ麺好き、とりわけうどん好きであることは知ってるよね。まあ、俺にとってうどんはソウルフードなわけで。
生い立ちの記憶の中に忘れられないうどんがいくつもあって、
これを書いている間にどんどん思い出してきた。
ひとつ書いておくと、幼稚園の冬、お母ちゃんとどっか行った帰りに、
場末た大衆食堂で食べたあんかけうどん。具は何もなくてうどんにあんがかかっていて、真ん中におろし生姜が載っているだけ。これの熱いこと、熱いこと。フーフーしながらデコラ張りの机で食べた記憶。
まあ、そんなことはどうでもよくて…。
最近、自分なりに気づいたことで参考になりそうなことあるので、
書きます。
ドリームプロジェクトを成功させる上で、何が大切か?
それは自分自身のモチベーションマネジメントだと思います。
バカでもチョンでも、四六時中うどんのことばかり考えていられるような
才能(つまり天才)があれば別だが、ほとんどの場合、モチベーションはスタート時点をピークに減衰していく。
さらにこの減衰パターンに個々のキャラクターが反映される。
で、話の要点は、
1)モチベーションは日々減衰するという基本傾向がある
2)減衰パターンには個々人に固有のパターンがある
という基本認識のもとに、自己の減衰パターンを客観的に見極め、
これを防ぐ仕掛けをプロジェクトの中に折り込むこと。
よくあるのは自分に何らかの褒美を与える節目の設定などだが、
山下くんにもっとも必要なのは、低モチベーション期を受容する
心構えだろう。
モチベーションは上がったり下がったりするのが自然で、
低モチベーション期があるのが普通であると考える心の余裕(いい加減さ)が大切。
まあ、ダイエットプログラムと同じで(小生この3ヶ月で体重を8キロ落とし、体脂肪率を15%にした)、日々のモチベーションを客観的に測り、
その変化のパターンや理由を確認しておくことがポイント。
低モチベーション期に入っても、あまりクヨクヨせず、また上がるさと、
やり過ごす。重要なポイントは、低モチベーション期も、低モチベーションなりにアクティビティを維持すること。仕事量は減らすが中断はしないということ。まったく駄目なときも最低3分間だけは着手すること。
この歳になって気づいていたのでは遅いのだが、自分のモチベーションを自然のものだとしてはいけないのだ。モチベーションの上がり方や下がり方に個性があり、そこには必ず原因がある。
自分の心のパターンを客観的に眺めて、その癖を逆利用するように仕掛ける。モチベーションのセルフマネジメント意識が大切だと思います。
「棚卸」はだいぶ進んでいる様子なので、モチベーション・マネジメントの重要性を強調しておきます。
アンド、「売れる商品」を作る時の、特に食品を扱う場合の問題点として、「美味しさは人によって違う」という当たり前のことを見落としがちなことではないだろうか? 例えば、先ほどのあんかけうどん等、山下くんが、いま口にすれば、「うん?」ってなること間違いなしの代物だ。
「自分が好きなもの」を「好きだと行ってくれる人」だけに売るのは、たぶん「商売」とは言えないんじゃないかな。偉そうですが…。
もちろん悩んだときは「最低限、自分が美味しいと思うものを売る」という判断でよいのですが。
無事出荷体制が整いましたら、忘れずご一報ください。陰ながらチャレンジを応援しております。
後藤さん!
コメントいただいて、ありがとうございます。
製麺所、ご報告できていませんでした。このブログも、わりと見切り発車で始めたものですから…
モチベーションをセルフマネジメントする、って発想は持っていませんでした。さすが後藤さんだと感じ入りました。僕のことをよくわかっていらっしゃる。開業前の今ですらモチベーションは頻繁に上下します。乗り越えかたの大きなヒントになります。
後藤さんの思い出のあんかけうどん、どんな時にどんな想いで召し上がったんでしょうね。僕がこの製麺所から発送するうどんは、そんな楽しいとき(だけじゃないかもしれませんが)の記憶に一緒に残してもらえるような、そんな商品にできれば、と思っています(難しいですね)。
この手の商品価値は、物質価値のみで購入されるのでなく、購入意志決定の半分近くは精神価値が含まれているんじゃないか。
つまり
・友達が作った商品だから
・こだわりうどんをワザワザ取り寄せする俺が好きだから
・どう違うのか試してみたい 等など
だから、
モノ+モノガタリ(情報)を継続的に届ける必要があるのだろう
例えば
・誰々さんが製麺した限定うどん500食完成!
・奄美で塩づくりに挑戦してきました、違いがわかりますか?
というモノガタリを常に生産していく必要があるのだろう
まあ、AKB商法に通底している。
普通、これが面倒くさいので物質的価値を高める方向にシフトして
いるんじゃないか?
精神的価値消費をコントロールするのは製麺よりもかなり難しい。
採算性を考えると、いかにリピーターを増やすかが鍵。
友人達も初回は面白がって買ってくれるが、自家消費のために
定期的に買ってくれる人は少ない。価格設定が重要になる。
ギフトニーズへの対応は絶対必要。
「美味しかったのでお届けします」というユーザの精神価値消費が
いちばん見込めるのでは?
年2回の販売ピークが作れるし、バースデーや引き出物需要も取り込める。
売上計画を設定すれば、必要なリピーター数はすぐ目標化できるので
それに応じたプロモーションは発想できる。
まあ、釈迦に説法か!
暇な時にスカイプでブレストしましょう!
年商20億にして、早く俺を倉庫番に雇ってくれ!
ほ、ほー。後藤さん、やっぱりすごいですねぇ。僕よりもイリコスキー製麺所のことを考えていただいているのかも?
倉庫番!?とんでもない。コミュニケーションデザイン担当重役でお願いいたします。