イリコスキー製麺所 所長のブログ

もっとシンプルに考えていいんじゃない?

FM802を開局のころから聞いてた世代としては、感慨深いライブだった。

靭公園センターコートで昨日行われた「風のハミング」。出演はKANさん、スタレビ、THE BOOMの宮沢さん、小田和正さん、馬場俊英さんと豪華な顔ぶれ。
どうやらずいぶんと争奪戦だったらしいチケットを縁あって入手して行ってきた。

もちろん客席は僕に負けず劣らず、FM COCOLOのターゲットど真ん中、という年代の人たちが多くて、でも中にはぐっと若い人も。どうやら馬場さんのファンらしい。
みんな代表曲をきっちりおさえてくれるから、しっかり楽しめるライブだった。

途中で二回も(!!)ゲリラ豪雨に見舞われて、20年近く前に買った多分FM COCOLOと同い年の単車用カッパはまるで役に立たず、全身それこそパンツまでびしょ濡れ、ってことはあったにせよね。

 

昔のヒット曲を聴いてると、当時のことが頭に浮かんできて、あの頃はポップスとか聴いてても単純に楽しめて、気持ちよくなれてたよね、って思い返してた。

最高に盛り上がってたのは小田さんのラブストーリーは突然に、だったと思うけど、KANさんの愛は勝つなんて今はそうそう聴けるもんじゃない。宮沢さんの島唄とか風になりたいとか。

流行ってる歌を素直に聴けて、単純に共感して、ヘビーローテーションで流されてもぜんぜん違和感もなかった頃の歌は、今聴いてもすっと僕の中に溶け込んでくる。

 

いろんな懐かしい素敵な音楽を、豪雨をものともしないで、いや豪雨だからこそ最後までノッて聴いてやるぞって1人でワイン1本空けつつ(あ、加えて2杯いただいたんだった)考えてたのは、「もっと自分の気持ちに正直に、シンプルにやっていいんじゃないか?」ってことだった。

いつ頃からだろう、マーケとかSPとかかじって、企業コミュニケーションとかって先輩から教えられたことをわかったように振舞って、それをクライアントに提案して。

自分で納得できてもないことを、いかにも得意げに、それがわからないやつはアウト、みたいにやり続けてきたことが、今の僕の中にある閉塞感みたいなものの原因の一つなんじゃないの?って。

 

自分の好きなこと、やりたいことを、わかってもらえるお客さんにだけ買ってもらえればいい、そんな考え方は商売とは言えないんじゃないか、って前に先輩に言われたけど、でも商売の基本ってそんなものなんじゃないのかな。

イリコスキーを始めよう、って思った時の気持ち。
何かと動きが遅くて進んでいない状況の中で、よくわからないままに落ちかけてた近頃の気持ちの先から、あらためて見えてきたものがある気がする。

単純、っていうよりどちらかというと素朴な考え方をする自分のやり方をなんとか変えたくて、難しそうに構えてしまうことも多いんだけど、それはやっぱり勘違いの元。あんまりいじくりまわさずに素直にいった方が受け入れてもらいやすいんじゃないのかな、あんまりカッコつけないでさ、なんて。
ライブが終わるとうそみたいに雨が止んだ中、びしょ濡れのTシャツで歩きながらそんなことを考えてた。

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