立川談春さんを聴く

さとうしんいち氏の案内に誘われて、今日は森ノ宮ピロティホールへ。

落語はとても久しぶり、3年ほど前に繁昌亭へ行って以来かな。というよりそもそも、落語を聴きに行く習慣はあまりない。東京にいたころは今よりは聴いていた記憶があるけれど、大阪では行ってないなぁ。

落語との関わりは、小学生の時に講談社文庫の「古典落語」シリーズを全部読んだぐらいで(わかってたのかどうかはかなり疑問だ)、そんなに深くはない。大学時代の友人に落研が何人かいたので彼らの高座は何度かのぞかせてもらったことはあったよね。

今日かけられたのは、かぼちゃ屋、小猿七之助、景清。
談春さん、一度は聴いてみたい、と思っていたところをしんいち氏の案内に見事に後押しされて行く気になったわけで、うん、行って良かったね。

1,000人入る大きなホール、席は後ろよりだったけれども見事に引きずりこまれる。他のお客さんの笑い声が大きく響いてる中で、どんどん談春さんの姿が視界の中で大きくなっていく。落語のうまいへたを僕は云々できないけれど、ああ、やっぱり談春さんはいいな、すごいな、って。

その中でもやっぱり景清はよかったね。話は知ってたけど高座で聴くのは初めて。聴いてるうちに涙がじわじわと(いや、もちろん僕も笑ってた)。自分と親の関係を思い出しつつ、泣く人は多いだろうな。


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小さく、シンプルなのが好き

唐突だけど、小さいものが好きだ。小さくてシンプルで、何かに特化しているもの(あるいは、マッチョじゃないもの、かもしれない)。何かをすることに特化して余計な機能をそぎ落としたものが好き。
だれかに、「日本人には多いよね」って言われたことがある気もするけど、そうなんだろうか。

ただ、小さいものも集まると山になってくる。だから、小さいものをいれておく大きなハコや器が必要になってきたりとかね。

基本的にいろんなものやコトに執着するタイプだから、いったん手に入れたものは手放すのにとてもエネルギーがいる。シンプルにいたい、という欲望はあるんだけどな。あぁ、僕を知ってる人は、「ほんとに?」って思うかもしれないけど、これはほんと。あ、それともこれは「憧れ」なのかな?

だけど、手放せないおかげでだんだん生活がシンプルじゃなくなってくる。まあそういう欲望は、実際そうはできないから、かもしれない。

いま製麺所を作りかけて、いまはすごくすっきりしてる。モノがなにもないからあたりまえ。
この場所はウェブ屋の仕事場や自宅とは違う、the third placeっていう感じで、できるだけすっきりした空間でおいておきたい、って今は思ってるんだけど、さて、いつまでつづくんだろな。


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床貼り、(ほぼ)完了

オフィスの床、完成

床がぜんぶできると気分が変わります。しかし、デジカメは実物の2倍はキレイに写りますね。

なんだかんだとトラブルもあったけれど、なんとかオフィス部分の床貼りが完了。
もちろん(?)製麺所部分と同様、フローリングの部材同士でスキマがあいちゃったり、床に密着せずにちょっと浮いてしまってたり、と素人工事の跡もあるけれど。

なにせここの床、製麺所部分の床を作ってもらったときに三木さんも言っていたんだけど、デコボコがすごい。
最大で上下1cmはずれてるんじゃないの?って。そこをごまかしごまかし、よくやったもんた。

それはともかく、真っ白の製麺所と、ウォールナット系の深いブラウンのオフィスと、コントラストが良い感じ。これはさらにテンションあがるな。この色を選んで正解。

あ~、できた~!って床に転がってたら、いつの間にか寝入ってた。天井のペンキ塗りより、疲れた…

これでDIYの半分はようやく超えた、って気分。まだまだ細かいところもあるけれど。
壁紙を張り終えたら、きっと見違えるよね。


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昔も、改装。

露出があってませんね。

露出があってませんね。犯人じゃありません。山下ですw

製麺所のDIYは手を付けたり休んだり、まだ完成にはほど遠いんだけど、あ、そういえば。と思い出して、こんな写真を引っ張り出してきた。

勤めてた会社をやめて、フリーランスになったとき。
自宅で仕事をすることにして、空いてる部屋を仕事部屋に改装しよう、の図。

空いてる部屋?
そう、築30年だか40年だかの家を買って入ったその集落の中では、「完成してしまうと固定資産税が高くなる」とかで、どの家にもそういうできあがっていない部屋があった。我が家もそうだった。

 

改装前

改装前。こうしてみると、わりとまともな部屋だったんだ…

天井は貼ってあったので和室になるはずだったんだな、とわかったけど、畳も当然入ってないし、壁もきわめてテキトーな塗り方。

とても普通には使えないので、物置部屋になってたんだけど、これを改装して仕事部屋にしよう、と。

このころはホームセンターに通うのが楽しくて(今もだけど)、大工道具も一通り持ってた。

 

改装後

改装後。パソコンがたくさんあるなー。VAIO505Xとアラジンの石油ストーブがお気に入りでした。あと、初めて自分で買ったMac – LC745とか。

今の製麺所のDIYと違うのは、この部屋はきっちり長方形だった、ってことかな。でこぼこがたくさんあったり、排水口があったり、そもそも角が直角じゃないところばっかり、という製麺所と比べるとそりゃカンタンだったよね。

あれがえらくスムーズにできたから、ちょっと余計な自信を持っちゃったのかな。

そういえば当時は、ISDNでのデータ通信が毎月定額になるサービスが始まって、自宅で使えるようになるのが待ち遠しかったなぁ。

 

比良山

おまけ。仕事部屋の窓からは、比良山が見えました。雪の比良山はきれいです。

しかしあれだな。10年以上経ってもおんなじことやってる、と。


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目覚ましに、休憩に、僕はコーヒー。

パンプキンの豆

これがパンプキンの豆。浅煎りのもあるようなんだけど、僕は深煎りが好きかな。

コーヒーマニア、というわけでもなく、中毒というほどに習慣化してるんでもないけれど。
朝仕事にかかる前、お昼の後、休憩時、コーヒーがないとなんだか物足りない感じで落ち着かない。

いいコーヒーばかり飲んでるわけでもなくって、いつもの事務所で飲むのはもっぱらマクド。マクドのコーヒーっていいよね。手軽に飲めて高くない。まぁ、僕の場合はマクドが事務所のすぐそばにある、ってのが大きいな。

フリーランスだったころは、自宅の一部屋を仕事場にしてたこともあって、ちょっと時間ができたら、仕事に行き詰まったら、いつもコーヒーを飲んでた。いろんな豆と、挽き具合と、ドリッパーもあれこれ試して。でも結局、なんだかなー、結局コーヒーメーカーで入れるのが一番おいしいのかな?とか思ってた。

 

最近自宅で飲んでるのはパンプキンのコーヒー。あ、自分で買うんじゃなくって、人からもらうんだけど…
ここの豆をペーパードリップで入れたとき、あぁ、豆ってほんとにこんなに膨らむんだ!って感動。喫茶店できれいに膨らむ豆を見て、あんなふうに淹れられればいいなぁ、って思ってたけど、自分でやってもこれだけ膨らんだのははじめて。鮮度なのかな?苦みと酸味と渋みのバランスも、今、大好きなコーヒー。

 

今日は仕事途中に散歩に出かけて、製麺所近くの喫茶店へ。構えがきれいだしお客さんいなさそう、っていうところを見つけて。ちょっと考え事したかったから静かなところがいいな、と思って入ったら、誰もいなかったお客さんが僕のあとに入ってきてお店の人とずっとおしゃべり。あ、ここはこういう店なんだ…
グアテマラはおいしかったんだけど、今日いきたいお店じゃなかったな。残念。ま、僕のかってなんだけどね。


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ボーメ計

ボーメ計

何の濃度を測るのか、そして測る濃度の範囲によって、いろんなボーメ計があります。僕が使ってるのはもちろん塩ボーメ、0~35ボーメまで。

僕がうどん打ちに使う道具で「測る」のに使うのは、秤、メジャーカップ、それとこのボーメ計。塩分濃度を測る比重計だ。
製麺以外だと、熱帯魚の水槽に入れる水の塩分濃度を測るのにもつかうみたい。

釣りで使う浮きのような形をしていて、空洞のガラス管の下部には鉛のおもり、管の部分には目盛りがついてる。それを使おうとする塩水に浮かべて濃度を測る。

うどんの麺は、小麦粉と塩水でできる、きわめてシンプルなもので、麺の出来は、気温・湿度とそれに対する塩水の濃度と量で大きく左右される。気温も湿度も低い冬は塩分濃度は低く塩水は多めに。逆に高い夏場は濃度を高め、塩水は少なめにする、というのがセオリー。

塩水の濃さは、質量濃度を使ってあらわす。100gの塩水の中に塩が10g入っていたら、それが10ボーメ度。

ボーメの使用方法

斜め上から撮ったので微妙ですが、12ボーメ、ってところでしょうか。

ただし実のところ、10gの塩を90gの水に溶かしても、必ずしも10の目盛りにはならない。塩に含まれてる水分とか、塩化ナトリウム以外の成分とかそんなものでも、ボーメ度とはずれがでてくるんだろうな、と思ってる。

なので基本的には、大きく濃度を外してないか確認するとか、そういう使い方にはなってしまうんだけど。

ところで、「ボーメ」って、フランスの化学者の名前なんだそうだ(アントワーヌ・ボーメ:Antoine Baumé)。単位に名前がついてるぐらいだから、偉い人なんだろうな。

棒に目盛りを切ったもので測る、棒目=ボーメ、なんてわかりやすい名前を…って長いこと思ってたのは内緒。


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安くなってきたすだちがうれしい。

すだち

そのわりにはまだケチケチな使い方。ちなみに、すだちのカットの基本は輪切り。房を半分に断ち切るように切らないと果汁は出にくいです。

すだちには、特定の地域だけで収穫できるっていう言い伝えがあって、徳島県の板東町(アンジェラ・アキや板東英二の出身地だ)にある大麻山(おおあさやま)が見えるところじゃないと生育しない、って言われてたらしい。

僕も昔、庭にすだちを植えたけどどうにも背丈が伸びず、花もつかなかった。…まぁあれは言い伝え通り、なわけじゃなくって、植えた土地が粘土質だったからそのせいだろうけど。

すだちが安い季節になってきた。
うどん食いとしてはすだちの値段が下がるのはうれしいね。徳島産で今は1kgで500円ぐらいかな。ハウスものが出始める前は1個100円とかだから、買うのを躊躇するような値段だけど、今の値段になるとあるだけつかっちゃえー!って感じになる。

うどんだけじゃなくって、サンマはもちろん焼き魚全般、刺身、冷や奴、しらす釜あげ。すだちが合う料理は多いよね。もう少しすれば松茸。すだちがない食生活なんて考えられない。関西だと、10年前は、どこのスーパーでも置いてる、ってわけじゃなかったよなぁ。

そういえば、秋に収穫された冷温貯蔵ものが3月に終わって、ハウスものが出始める5月ぐらいまで、入手しにくい端境期があったんだけど、最近は高いなりにそのへんのスーパーでも高いなりに年中買える。すだちを使う人が増えてきた、ってことなんだろうな。

みんなうどんを食べるときにすだちは使うんだろうか。
すだちをつかう定番は、生醤油うどん。すだちの値段が高いときはレモンで出すお店は多いけど、やっぱりすだちとは味わいが違うよね。レモンだとちょっととんがりすぎるんだな。

ただ、すだちがあうのは生醤油だけじゃない。釜あげうどんのつゆにすだちをしぼると味わいが増す。かけうどんにはネギと七味じゃなくっておろし生姜とすだち。ひやかけ(麺もだしも冷たいかけうどん)なら、すだちそばみたいに輪切りのすだちをつゆいっぱいにうかべるのも楽しい。

僕が一番好きなのは、やっぱり釜かけ(釜抜きの麺にあったかいつゆをかける)。これにおろし生姜をちょっとだけのせて、すだちを少し絞って食べるのがいいな。

香川のうどんに徳島のすだち、高知の生姜。うん、いかにも四国っぽいね。


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おとりよせしたいのってどんなの?って気になるけれど

イリコスキーの商品は、おとりよせ専門のうどん生麺といりこだしのセット。

まだパッケージも価格も決めていないんだけど、どんな人が買ってくれるのかな、というのがとても楽しみ。

ブログとかFacebookとかやってると、ついついアンケートとかとりたくなっちゃう。
どれぐらいの価格なら買おうと思いますか?どんな時に召し上がりたいですか?うどんの生麺をギフトにするってありですか?

たぶん普通のネット通販のうどんよりも価格では圧倒的に負けるんだろうな。どこに強みを持って行けばいいのかな。少しでもお客さまの目を惹く商品にするためにはどうすればいいんだろ?

そんなことをよく考える。そして、僕の知らない人に尋ねたくなってしまう(もちろん、よく知っている人には尋ねてみたりするんだけど)。

その度に、いやいや、それはやめておこう、と自分の気持ちを抑えてる。
いろんな人に尋ねれば尋ねるほど、きっと普通の、どこにでもある商品になっちゃうよね。別にイリコスキーから買わなくってもいいうどんとつゆに。

まずは僕がどんなうどんが好きなのか。いや、買っていただきたいのか。やっぱりそこを押さえないと、ぼんやりした通販屋さんになっちゃう。

機械は基本的に使わないから、手間と時間がちょっとかかる。だから、販売量も多くはできない。僕とイリコスキーを気に入ってくれて、お前からなら買っても良いよ、って思ってもらえる人にどれぐらい出会えるのか。
僕がこんな楽しみ方をしてほしい、って思ってることがどれぐらい伝わるのか。
あ、また「伝える」がでてきたな。お客さまに伝えるほうが、店を作るために手伝ってもらってる人たちに伝えるよりも、ずっと難しいよね。

 

ふと、以前に勤めてた会社でウェブのチームを立ち上げたとき、部署の名前を決めるのにずいぶん悩んだことを思い出した。「つながる事業室」っていうのを提案したんだけど、結局ほかの名前になっちゃった。
あのときは、クライアントとクライアントのお客さまをつなげる仕組みをつくる仕事になれば、って思ってた(『WIRED』って誌名にも影響されたんだと思う…)。わるい名前じゃなかった思うんだけどな。

あのときは自分がお客さまとつながるには、なんてまるで考えてなかった。でもきっと、やらなきゃいけないことは一緒なんだよね。


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僕の製麺所で元気がでる?それはうれしい。

製麺所をやると決めたこと、今こうやってブログを書いていることを報告できた人が少しずつ増えてきた。
僕が10年ほど前にうどん屋をやろうと思ってできなかったことを知っている人もいて、みなさん喜んでくれたり、「元気もらったわ」って言ってくれたり。

僕がやろうとしていることで元気がでた、って感じてもらえるのはほんとにうれしい。
これまではいろんな人の話を聞いて、いつも僕が元気をもらう立場だったから。

 

しばらく前に、自分の店を始めた友人がいる。
僕の製麺所作りも応援してくれているし、手伝いに行けなくて申し訳ない、なんていってくれるのだけれど、僕にはその気持ちだけで十分。

僕が想像している以上に、お客さまが実際にいらっしゃる店舗は大変なはずだ。
始まったばかりだから、商品はこれでほんとにいいのとか、接客は大丈夫なのかとか、新しいお客さまになかなかいらしていただけないだとか、大小いろんな課題や問題、トラブルが山積みなんだろうと思う。

いったん開けたお店はどんなことがあっても止まれない。やり続けながら、走り続けながら修正していくしかない。最初は見えていたはずの、でも走り始めたら見えなくなっているかもしれない目標に向かってスタッフを引っ張ってる。そのストレスたるや、だよね。

 

そんな状況の中でも、彼は僕にいろんなアドバイスをくれる。知ってるとは思うけどね、わかってると思うけどさ、なんて言いながら。

もちろん知ってることもあるしわかってなかったこともあるけれど、でも何よりありがたいのはそんな、自分がたいへんなときでも僕の製麺所のことを考えてくれていること。

そんな状況じゃないんじゃない?体もココロも大変でしょ?って思うんだけれど、それでも彼は僕の心配をしてくれる。これまでずっと、僕を心配してくれたように。

 

僕ができることは少ないよね。具体的なアドバイスはあんまりできないね、きっと。でもしんどいことがあるのなら、もっと不安な気持ちを話してほしいな。それで少しでもココロが楽になるのなら。
僕はいつも前向きの力と元気をもらってる。少しはお返しをしたいな、と思うよ。

 

ま、製麺所がオープンしたら、不安をこぼすのやっぱり僕の方かもしれないけれどね。


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はじめてのうどん打ち

はじめてうどんを打ったのは、1995年か96年ぐらい(たぶん)。

自分で打とうと思ったのは、おいしいと思えるうどんに出会えなかったから。
その時は、いりこだしじゃないからおいしくないんだ、とは気づいてなかった。麺がちがうんだよね、って。

実家近くの製麺所から半生うどんを取り寄せて食べて、うん、おいしいよね、でも、なんだか実家で食べるのとちがうな…とは思ってたころ。当然、実家でそのうどんを食べてたときは、母親が自分でとったいりこだしのつゆで食べていたわけ。

だしの味の違いすら認識していないから、これは麺の違いしかない、と考える。半生うどんでも日が経ってるから味が劣化してるんじゃないの、って。
じゃあ、新鮮なうどんの麺を自分でつくろう。

今となっては何を参考にしたのか記憶が定かじゃないんだけれど(残念ながら僕の実家ではうどんを打つことはなかった)、料理本とか雑誌のレシピを参考にしたのか、そういうのを読んだ記憶をたよりにいい加減にやったのか。たぶん後者だろうな。

あれはひどい麺だった。いや、麺とは言えないか。

うどんは中力粉、っていうのは知ってる人は多いと思う。中力粉がなければ薄力粉と強力粉をまぜて、とかね。でもその時の僕は知らなかった。自宅の冷蔵庫に入ってた薄力粉に塩と水を適当に加えて、パンのように捏ねてこねて。
しばらく寝かせて熟成させる、という知識はあったようで、ビニール袋に入れたうどんのタネのようなものを押し入れの布団の間に突っ込んでしばらく置いておいた記憶がある。

寝かせた小麦粉のかたまりを麺のカタチに延ばすのは、すりこぎ。うどんに適切な厚さも幅もこれまたわからないから、今から考えればとても厚くって、とても太い麺線ができた。

鍋で茹でて、釜あげで食べたんだと思う。だしは、さば節と鰹節と昆布でとって、しょうゆとみりんを足したはず。
だしはまずまずだったけど、麺はただの細長いだんごだった。コシもなにもない、ただ固い、細長いだんご。ゆでる途中でぶちぶち切れたな。

もう一度やろうとしなかったことを考えると、それを改良してもどうにもならないような味とか食感だったに違いない。当然だよね。

その後はずっと、取り寄せた半生うどんとさば節のつゆが、わが家のうどんだった。満足はしてないけど、まあこれがあればいいか、って。
ほんとに満足できるうどんができるのは、それから5年後。ちゃんとしたさぬきうどんレシピに出会って、そのとおりやればおいしくできた。なんてすばらしいんだ、って感動したのを覚えてる。

そう、基本さえ守れば普通のうどんはわりと簡単にできる。

そこからだんだんとうどん打ちにはまっていくんだけど…


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