自分を、人に伝えること

自分のことを書くのはあんまり得意じゃない、ってこのブログで最初に書いた
自分がやってること、考えてることを人に見られる・知られることにわりと抵抗がある、っていうのがそのベースにはあるんだけれど、もちろんそんなことを言ってると話にならないし、このブログでは少しずつ書いて行こうと思ってる。
わざわざそんなことを考えるなんて、制作系の仕事をずっとやってる人間には珍しいかもしれないな。

 

大学生の時、僕は友人たちが作った学生劇団に所属していて、そこではもっぱら裏方だった。大道具つくったり、とかの。少しだけ舞台に立たせてもらう経験もしたけれどね。

大学を卒業したあと印刷物の編集・制作会社に就職してしばらくして、学生劇団をやっていたことを知っている先輩からこう言われた。「お前、もう裏方はええやろ」。
わりと強い調子で、というよりちょっといらだってるような言葉だった。

「会社として恥ずかしくない仕事を」なんて言ってしまったときに「そんなことはどうでもいいんだ」と、これまた怒られた記憶がある。「お前の仕事だろ」って。

仕事を教えてくれる先輩の頭の中には何があるんだろとか、クライアントは何を求めてるんだろ、なんてことばかりを、たぶんその時は一生懸命考えてた。

もちろんプロの劇場の裏方さんたちの仕事とそのときの僕を一緒にするのは間違いだと思うけど、先輩が言いたかったのはつまりは「お前には自分がないんだよ」ってこと。そのときはすごく反感を持ったけど、今はそういいたくなった先輩の気持ちはよくわかる。

 

さて、自分で製麺所をはじめようとして、今痛切に感じていること。

自分がやろうとしていることを言葉にするのって、難しい。
自分にだけわかる言葉にするのすら難しい。それを人に伝わる言葉にするのはさらに。

ウェブ屋をやってると、クライアントに対して「もっとちゃんとビジネスを説明して欲しい」とか「なぜ突然そう考えるようになったのか理解させて欲しい」なんて気持ちになることも多いわけだけれど、いざ自分が自分のビジネスを説明しようとするとほんとに言葉足らずになっちゃう。

自分の中のイメージは漠然としてるわけじゃなく、わりと明確になっているのにそれを伝えるのってこんなに壁があるんだ、って感じる。もちろん言葉じゃなくってイメージそのもので伝えられれば良いんだけれど、それもまた然り。

 

裏方がちゃんと所長になるのには、まだ少し時間がかかるみたいだな。
(あ、裏方は好きなので、裏方をやめるって意味では決してなく)


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ひとりでやってるけど、ひとりじゃない。

製麺所DIYは、着々と進んではいる。でも、少しずつ予定が遅れて行っているのは確か。

このブログを読んでくれている人たちからも、「もうすぐだね!」「楽しみにしてるよ」なんて声をかけていただくんだけれど、はたしてオープンはいつになるかなぁ。

製麺所ができたからといってすぐにお取り寄せしていただけるようになるわけでもなく、サイトの開発もしなきゃいけないし、パンフレットとかショップカードとかも準備したい。
そもそも、まだ商品が最終的に完成したわけでもないし。

日々少しずつでも進んでいってるから、楽しくはあるんだけど、やらなきゃいけないことがまだまだ残ってることに気がついてちょっとめまいがするような気持ちにもなったり。
はやくサービス始めたい!っていう思いと、今クリアしていかなきゃいけないことがバランス取れてない、のかな。今は基本一人で作業をすることが多いから、余計にそう感じちゃうのかもしれない。

そんなことを考えながら今日、sanoemi+さんとお話しをさせてもらって、手伝ってもらえる人がいる、っていうのはありがたいな、としみじみ。
いろんなものを作り上げてる今が、ちょっとしんどいけど実は一番楽しい時間なんだろうな、きっと。今を一足飛びに超えていくのは、ずいぶんもったいない、贅沢なことなのかも、って思い直したりして。

そう、sanoemi+さんだけじゃなくって大勢の人が楽しみにしてくれていて、応援してくれてる、ってのをついつい忘れちゃうんだよね。そういう意味ではブログとかFacebookがある環境ってありがたいな、ってあらためて思う。

みなさん、いつもいいね!していただいてありがとうございます。元気をいただいてます。


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豪雨の中の製麺所

午後から大雨、というより豪雨か。

製麺所の中まで雨音が聞こえてくるのは初めてだったな。
窓に殴りつけてくるように降ってくる音のおかげで、iPhoneでかけてる音楽もかきけされちゃうほど。

そんな中でなぜか金属の音が聞こえてくる。コツン、コツンとリズムを刻んで。どこからかな?と思ったら、どうやら換気扇からしてるみたいだ。
製麺所の部屋は外に面してる壁があって、そこに換気扇がついてる。換気扇の外にはフードがあるんだけど、上階から落ちてくる水滴がそこにあたってるらしい。

コツン、コツンだったりカンカンカンだったり、雨の強さと風の向きで音もリズムも変わる。こういう音、わりと好きだな。雨の音がもともと好きなんだ。

実家に住んでた頃、元々は座敷だった部屋を子ども部屋としてあてがわれて、そこにはいろんな雨の音が聞こえてきてた。
軒から落ちてきた水滴がひさしにコツって当たる音。
ひさしの端っこにたまった雨が地面に置かれた石の上でぺと、とたてる音。
ガラス戸の外に目隠しに立てられてた木の葉っぱに溜まった水が、風にあおられてザザーってガラスにあたる音(…あの木はなんだったっけ…貝塚伊吹かな)。

一階に住んでると、いろんな音が聞こえてきてたな。マンションに住んで、仕事もビルの中にいるとそんな音ってめったに耳に入らない。
今日はなんだか久しぶりの音をゆったり聞いていた気がする。実家で聞く音とは趣にはずいぶん差があるけれど、聞こえてくる音はそんな懐かしい音だった。

父親が購入した僕の実家はずいぶん前に兄の家族のための家に建て替えわって、もちろん僕の子ども部屋ももうない。帰省したときにはその横に建てた、父親が住む離れ(って言っても僕のマンションよりよっぽど広い)の2階で寝泊まりするから子どもの頃に聞いてたような音はもう聞こえない。

お盆の間の豪雨もそうだし、今日もたいへんなところがあったみたいだけれど、僕にとっては突然に時間と場所を引き戻してくれたそんな雨だった。


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DIY・製麺所床貼り

ようやく、製麺所部分の床がカタチになってきた。予定からはずいぶん遅れちゃったな。

製麺所床貼り

ちょっとシワも見えますが、ま、それもご愛敬。

いやはや、苦労した。分厚い材料の扱いがここまで難しいとはね。
ちなみに、製麺所部分の床はクッションフロア、サンゲツのPM-4337って部材。

一番たいへんな作業はこれで山を越えたかな。
製麺所の床が真っ白くできあがってくると、うん、なんだか気分も盛り上がるね。

あとは事務所分の床に入口の床、壁紙にトイレ周りに…あれ?まだまだいっぱいあるじゃないか!


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ウェブ屋≒製麺所?

「これまでの仕事はもう辞めるの?」なんて時々たずねてもらえるので書いておこうと思う。

僕は株式会社Pathってウェブ屋をやってる。

1998年に、初めて勤めた会社を辞めてフリーランスになって、ウェブの企画や制作の仕事をやってきた。途中でまた会社勤めをしたり、個人事業主だったのを会社組織にしたり、ってこともあったけど、もう15年目になる。ウェブに関わり始めてからもう18年目だ。

これまでなんとかやってこれたのは、周りにいてくれたたくさんの人たちのおかげだと、最近ホントにつくづく感じる。クライアントの方々、一緒に仕事をしてくれる仲間、友人たち、そして家族。

みなさんに支えていただいて、今の僕とPathがある。そのおかげで新しい事業に挑戦できる。ウェブ屋の事業はこれまで通り、製麺所が始まっても変わらず続けるつもりだ。
クライアントのみなさま、いっしょに動いていただいているみなさま、これからもお仕事よろしくお願いいたします。

実は僕の中では、製麺所はこれまでやってきた仕事の延長、あるいは同じものって感覚も強くある。

受託でモノやサービスをつくるのと、自分で商品をつくるのと。もちろんそこには大きな違いはあるんだけれどね。

ただ、その感覚を文字にしようとすると、今はまだなんだかむつかしい。

製麺所が始められたら、そのあたりもちゃんと言葉にできるようになれるのかな、って思ってる。


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イリコスキーがなりたいものは

この間、気がつくと僕が子どもころのうどんの話をたくさん書いてる。

僕が持ってるうどんのイメージとか、好きだって気持ちはやはりこの頃に持ってたものがずっと続いてるんだな、きっと。

もちろん僕の記憶の中にあるうどんやうどん屋を、イリコスキー製麺所で再現したいわけじゃない。それを再現したところで(できっこないけど)、その体験をお客さまに追体験してもらえることにはならないよね。

思った以上に僕の中に残ってる、楽しかった思い、幸せだった気持ちを少しでもいいからイリコスキーのうどんを召し上がった方に感じていただきたい。

あるいは、お客さまの楽しい、幸せな時間の中にたまたまイリコスキーのうどんがいることができれば。

そして、楽しかった、幸せだった気持ちを僕に教えてほしい。そんな思いで製麺所をやっていたいな。


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イリコスキーのいりこだし

前にも書いたことがあった(やっぱり、いりこが好きだから)けれど、イリコスキー製麺所では手打ちうどんの生麺と、いりこだしを使ったつゆをセットにして販売しようとしてる。

近頃は、いりこだしのうどんが食べられるさぬきうどん店も増えてきた。けれども、通信販売じゃなかなか買えないんじゃないかな。
つけつゆもかけつゆも、どちらも濃縮タイプじゃないストレートつゆ。もちろん、化学調味料とかの添加物も使わない。
普通のうどん店で普通にめしあがれるようなつゆをお届けするつもり。

「なんでそんなにいりこだしが好きなの?」って時々聞かれることもあるけれど、こればかりは理屈で説明できない。うどんもみそ汁も、いつだっていりこだしだった。これまた子どもの頃から慣れ親しんだ味だから、というのはもちろん大きい。

いりこだしは、なんというのか、かつおだしのようなちょっと澄ましたのじゃなくって、気の置けないやつ、って印象がある。かといってサバ節みたいに実用一点張りでもない。
肩肘張らずに自分の持ち味だして、そして下品にならずに良い仕事するやつ、ってイメージかな。

いりこのサイズは、大きく小羽、中羽、大羽とあるんだけど、うどんにあうのは大羽かな。サイズ的には10cmを優に超えるものもある。それを一晩水につけておくだけで、それだけでもおいしいだしが出はじめる。

僕がとるいりこだしのポイントは、大きく二つ。沸騰させないこと、頭も腹わたもとらないこと。
沸騰させずに時間をかけてゆっくり煮出すことで、いやがる人の多いえぐみは出なくなる。
頭と腹わたをとっちゃうと、なんとなく薄っぺらくって、パンチもなくて、なんだか別物になってしまう。

いりこ、って聞くだけで「えーっ、いりこだし!?勘弁して!」って嫌がる方も少なからずいらっしゃるのは知っているけれど、できれば一度、おいしくとれたいりこだしを試してみて欲しいな。


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さぬきうどんと、麺のコシと

さぬきうどんブーム(今は第四次ブームの後でセルフ店が定着した、って感じかな)のおかげで、今はさぬきうどん=コシのうどん、という認識になっていると思う。

ただ硬いだけの麺ではコシがあるとは言われない。適度な歯ごたえと弾力と、延びがあるものがコシのあるうどん、って言われるんだと思う。

それでも「グミ系」なんて表現のしかたもあるように、力強いどっしりしたコシから、やさしいふんわりしたコシまで、「コシ」が含む範囲は相当幅広い。コシのないうどんじゃないものがコシのあるうどんだ、って言いたくなるぐらいの。

ただ、実のところ、僕はさぬきうどんの絶対条件はコシだとは思っていない。

子どもの頃、食卓で出されるうどんの麺(親がスーパーや製麺所で買ってきてくれた麺)は、当然茹で麺。今みたいにビニールでひと玉ずつパックされたものじゃなくって、水で締めて玉にされたうどんがセイロに並べられてて、それを自分で袋に取る、っていう買い方だった。

茹でられてからかなり時間が経っているから、コシは基本的にない。だけど、小麦の味と塩味がする、とてもおいしい麺だった。

午前中に茹でられて、数時間たってるような麺を、夕方学校から帰ってしょうゆすらかけずにそのまま麺だけ食べて、それだけで幸せになれるような。

僕の中ではあれはさぬきうどんだった。

今でもスーパーで買っておいしいうどんの茹で麺はあるけど、絶対的に昔と今では味わいに壁があるような気がする。

香川県産小麦が昭和38年、壊滅状態になってしまって、基本オーストラリア産に代わったのが原因なのか。それともやはり子どもの頃の記憶だからなのか。

もちろん、イリコスキー製麺所の麺は、十分にコシが楽しめる麺のはず。だけど、それだけじゃ物足りない。

小麦の味とそれを引き立たせるほんの少しの塩を感じられる、そんな麺にできればな。


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ロゴマーク&ロゴタイプ

グラフィックデザイナーのsanoemi+さんから昨日、ロゴ周りの提案。

うーん、すばらしい。ロゴタイプは2種のタッチにそれぞれ○○づかいと○○づかい。
ロゴマークも斬新な、でも力強いデザインが2種。こんなの見たことないや。そしてさらに※□△も…

あんな組み合わせやこんな組み合わせ、僕が予想していなかったものがあがってきた。これはうれしい。
商品パッケージにはこの組み合わせ、パンフレットにはこの使い方が合うよね。サイトに載せる写真にはこう使って…想像は広がるひろがる。

うーん、どう選ぼうか。どれも捨てがたい。

どれもずいぶん手が込んでるし、デザイナーのイリコスキー製麺所に対する思いと気遣いが感じられる。

この場ではまだ、みなさんにお見せできないのが残念。見たかった?
公開はもう少し先になるなぁ。

忙しい中、時間を作って、イリコスキー製麺所のために手とアタマと時間と気持ちを使ってくれている、sanoemi+さんに、心から感謝。


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川の上のたらいうどん

夏になると懐かしくなるのが、徳島県は土成町のたらいうどん。
僕の実家から南へ、クルマで山を越えて小一時間。昔はトンネルがなかったからもっとずっと遠かったはず。

川の中、大きな岩がゴロゴロ転がっているその上に大きな、たぶん二畳ぶんぐらいだったと思う、板を渡して、そこで出されるたらいうどんを家族で囲む。

貴船の川床みたいに風流というわけじゃもちろんなくて野趣あふれる、という雰囲気。

たらいうどんは、釜あげだったか、冷やしだったか。炎天下、暑い中で食べてたから冷やしかな。大きなたらいうどんをみんなで食べるのが楽しいイベントだった。

最近は川の上じゃなくて川横に東屋を建てていてそこで食べるスタイルが多いけど、雰囲気は昔のほうがワクワク感はあったな。まぁ事故とかあると大変だろうけどね。
いや、それとも川の流れの風景と卓上のたらいうどんを、子どもの頭が勝手に合成したのか。

ここのだしは、ゴリみたいな小さな魚(じんぞく、っていうらしい)。少しくせがあって味も独特。この魚や沢蟹のからあげもおいしい。

そうか、子どもの時の記憶だから当然なんだけど、家族みんなで好きなものを食べる、ってやっぱり幸せなことだよね。

うどんミュージアム、ってサイトがあったよ。[browsershot url=”http://udon.mu/taraiudon” width=”200″]

[2012.08.13 追記]
土成町のたらいうどんをちゃんと知る友人から指摘(ありがとう)。
『たらいうどんは基本釜あげで、冷たいのは出ません。暑い夏に、熱いうどんです』
冷やしうどんだというのは僕の思い込みでした。


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